『ボトルネック』 米澤穂信 [や・ら・わ行の作家]
【内容情報】(bookデータベースより) 亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。 |
米澤さんは小市民シリーズのみ既読の作家さん。
今回はあまり評判がよろしくなかったのですが本屋さんで平積みされてるのを見て
やっぱり購入してしまいました。
なんといっても読後感があまりよろしくない。
亡くなった恋人の諏訪ノゾミを追悼するために東尋坊へとやってきた嵯峨野リョウ。
リョウが墜落してみた世界は・・・。
いるはずのない姉がいる。
リョウの生まれなかった世界では姉が生きている。
そしてリョウの生まれた世界とのパラレルワールド。
自分の生まれなかった世界では何よりも姉が活き活きとして
うまくいかなかった事柄をきちんと対処している。
自分が生まれたことへの後悔が募る。
真っ暗な海と曲がりくねった道。失望のままに終わらせるか絶望しながら続けるかの二者択一。
どちらも残酷で救いようのない暗澹たる気持ちになりました。
そして え?これで終わり?というところで終わってしまう。
ミステリーなんだけどちょっとSFっぽい感じもしました。
ストーリーとしては楽しいと思いますが
私は登場人物への共感は持てなかったので残念です。
次は古典部シリーズを読んでみようと思います。
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